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    グローバリズムの副作用を克服するために

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      JUGEMテーマ:国際社会

       

       

       グローバリズム、という言葉もすっかり定着しました。経済の分野では、国境の垣根を越えて様々な企業が世界規模で自由にビジネスを行うことができます。昔のように国家が自国の産業、雇用を守るために他国からの輸入品に高い関税をかけ、自由競争を妨げてしまうよりは、よりよい商品がより安く国際社会に流通するほうが、健全に思えますし、グローバリズム自体はけっして悪いことではありません。

       

       

       

      今日、世界ではこのグローバリズムの恩恵を受け、たくさんの企業が多国籍展開を広げています。その結果、企業は仕入・生産を物価・賃金の安い発展途上国で行うことでコストを削減でき、途上国側もグローバル企業の誘致により、雇用と税収を確保できる利点があります。まさに両者にとって、Win Win の関係といえる訳です。

       

       

       

      しかし、この一見いいことずくめに思えるグローバリズムにも、大きな落とし穴があります。それは、天井知らずの減税競争による国家財政の悪化と、その反動による保護主義の台頭、です。先述したように、国家にとって、企業を誘致することは雇用を生み,税収が見込める点で、大きなメリットがあります。

       

       

       

      そこで今国際社会では、国家間の企業誘致合戦が過熱しています。企業が進出する国を選ぶ条件として、法人税率が重要なポイントであるため、国々がこぞってその税率を下げているのです。 企業にとっては、この値下げ合戦は歓迎すべきことなのでしょうが、エスカレートしすぎて様々な問題を引き起こしています。

       

       

       

       

      (1)ペーパーカンパニーによる脱税の横行

       

       

      例えば、欧米の消費者を対象に荒稼ぎをするネットショッピングの企業があったとします。その企業がアメリカにあれば、稼いだ利益の一部を税金としてアメリカ政府に納める形になります。しかし、その企業が法人税率の非常に低い南米の小国に支社を置き、売上をその支社で計上出来れば、税金はその小国で払えば済むことになります。結果、企業としては従来に比べると極めて少額の税金を納めればよいことになり、利益の大半を懐にしまうことが可能になるわけです。

       

       

       

      これが違法であれば脱税として追徴課税の対象となりますが、巧みに法の穴をすり抜ければ、合法的な租税回避、としてまかり通ってしまうのです。そしてこの租税回避は、実際に多くのグローバル企業が行っています。市場を開放している国側にしてみれば、稼ぎ逃げされて税金を取っぱぐれた形になります。

       

       

       

       

      ⑵税収の減少による行政サービスの縮小

       

       

      巨大なマーケットをグローバル企業に提供している欧米先進国にしてみれば、今まで徴収していた税金がなくなる、もしくは少なくなるため、国家の財政にとってはダメージです。 税金が減れば、当然、今まで提供していた福祉サービスを削ったり、防衛費を削ったり、あるいは国債を発行して借金で賄ったり、と国にとって悪いことばかりだからです。

       

       

       

      例えば、いま日本でも格差の拡大が問題になっており、野党からは大儲けしている大企業や富裕層からもっと税金を徴収して、福祉に充てるなど、所得の再分配を実行すべきとの声も上がっています。実際その通りなのですが、分かっていてもそれができないのは、日本もまた、熾烈な国家間の法人減税競争にさらされているから、に他なりません。

       

       

       

      格差是正のため法人税率を上げたせいで、大企業に海外に逃げられ、雇用も税収も失っては、結局福祉に回す予算は捻出できない、というのが政府の考えで、たとえ貧富の差が広がっても、法人税率を下げるわけにはいかない、という理論です。このようにして、国内に蔓延した不公平感、不満などのネガティブな感情は、また別の問題を生み出します。

       

       

       

       

      (3)保護主義の台頭

       

       

      イギリスでは国民に投票によりEU脱退決定や、アメリカ大統領選のトランプ勝利、その他、フランスやドイツでも世論の右傾化、保守化が進んでおり、保護主義の台頭が進んでいます。これらはみな、経済のグローバル化によって拡大した格差に対する、国内の不満が表面化した例の数々です。

       

       

       

      TPPなどの特定地域内の関税自由化や、EUなどの地域統合は、参加する国家間の格差を縮小させますが、それは今まで利益が集中していた勝ち組国家にとってみれば必ずしも面白いことではありません。特に利益が目減りした分のしわ寄せは、富裕層ではなく労働者層を直撃するため、彼らの不満は高まる一方です。

       

       

       

      肉体労働者を中心とした低所得者層にとってのグローバル化は、移民に仕事を奪われ、税収減によって福祉も削られる、負のイメージしかありま せん。そのため、イギリス、フランス、ドイツなどEU内で勝ち組とされている経済的に豊かな国々で、反グローバル化を叫び極端な保守政策を掲げる極右政党に支持が集まっているのです。また、グローバル化による負の現象は、恩恵を享受しているはずの途上国側にも発生しています。

       

       

       

       

      ⑷企業による進出先国家の主権侵害

       

       

      美味しい条件をたくさん提示して、なんとかグローバル企業の誘致に成功した国家にとっても、良い結果ばかりが待っているとは限りません。これといった産業がない小国にとって、大企業がもたらす雇用が魅力的なのは確かですが、その代償が大きすぎるケースも出ています。

       

       

       

      そもそも、ただ同然で提示した法人税率による税収は期待できませんし、国によっては、誘致した経済特区の自治権まで企業に認める例も出ています。本来、経済を活性化させ、国を繁栄させるために誘致したはずの企業に、地域の行政権まで与えてしまっては本末転倒です。

       

       

       

      また、誘致の際に提示した条件を盾に、企業側が国家を相手に契約不履行で訴えるケースも頻発しています。国が潤うと思って呼んできた企業に、逆に訴えられて賠償金を払わされたんじゃ、たまったもんじゃありませんが、実際に訴訟の数は年々増加しています。

       

       

       

      これらの問題が目立つようになってきても、国際社会がこれを改善するための効果的な手を打てずにいるのには理由があります。それは、今の世界に、過熱しすぎて消耗戦となった減税競争や、グローバル企業の巧妙な租税回避を制限する共通のルールや、監督機関が存在しないことが挙げられます。これは、環境問題の時と構図は同じです。

       

       

       

      もしも世界に人類共通の政府があって、どの国に逃げても必ず税金を徴収される仕組みだったら、グローバル企業もタックスヘイブンにペーパーカンパニーを作って脱税するような真似はあきらめるでしょう。徴収した税金は世界政府の予算に組み込まれ、世界平和維持や地球環境の改善に使われるため、人類にとっては一石二鳥です。ここでもやはり、世界共通の問題には世界共通の政治機構が対応するのが最も効果的、という理論が成立します。

       

       

       

       

       

       

      地球政府設立プロジェクト * なぜ地球政府が必要なのか * 23:48 * comments(0) * -

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